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2015年7月26日 (日)

チームベニー、無事に初日を迎えました

やっと始まりました、チームラボアイランド 学ぶ!未来の遊園地。
東京のイベント視察に行ったとき、スケールの大きさに圧倒されてから早数か月。
規模は違うけれど、このイベントを成功させたいという気持ちはさらに大きくなりました。

そして迎えた設営。
今回の設営では、本当に様々な業種の方々の協力がありました。

そんな大変だった設営を少しご紹介します。

Panti

まずは、床に黒いパンチカーペットを敷きました。
このイベントの条件は、会場を真っ黒にすること。
山形屋文化ホールは床が赤色絨毯のため、カーペットを全面に敷くことにしました。
幅1m80cmのカーペットを順番に敷き詰め、その間を布ガムで固定していきます。
この工程に約1時間かかりました。

Uke

次に壁面にパネルと呼ばれる壁をたてていきます。
その中で水族館とかみさまの場所は、高さ3m60cmの壁を立てる必要がありました。
安全に作業をすすめ、また安全に楽しんでいただくために、今回鉄製の受けを設置しました。
写真奥に見える白い枠のようなものがそれにあたります。
これに壁を固定していきます。

Rolling

さらに会場全体を黒くするため、今回は天井から黒い布を吊るし、壁を隠すことにしました。
みなさんは、文化ホールの天井の高さがどれくらいあると思いますか?
答えは、5m60cmもあります。
その高さでの作業になるため、今回はローリング足場と呼ばれる秘密兵器も登場しました。
アーケード内の高所作業にも使われているそうですよ。

Suizokukankabe

この写真は水族館部分の壁です。
今回は、この壁に映像を投影するため、可能な限りまっすぐに立てる必要がありました。
なので、支えになる土台作りもすることに。

Kabe



会場壁面のところどころに、写真にあるように木材を固定。これに壁を固定していきました。
鉄製受け作業をしながら、この壁面を立てる作業。
この工程に約2時間かかりました。

Kuronuno

そして天井から布を吊るす作業。
吊るすために天井ぎりぎりに木材を固定。それに1枚1枚手作業で取り付けていきます。

この後も壁を立てて、黒い布を吊るす・・の作業を続け、すべての作業に費やした時間は約18時間。
それと平行して、プロジェクターなどの機器を取り付ける作業も行われました。

それが終わると、実際に映像を映して位置などの調整。
これで合わないと、機器の位置をずらして調整をします。

今まで、文化ホールでのイベントでは、通常1日準備日を設けていますが、今回は3日間。
なんでそんなに必要なのか…って最初は思っていましたが、連日遅くまで設営をして、ついに完成。

Suizokukan

そして迎えた初日。
開店とともに、多くのお客様がご来場くださいました。
水族館の前では、東京で私が見たのと同じ、心から楽しむ子供たちの笑顔がありました。
それを見た瞬間、今までの道のりを思いだし、感極まって初めて涙しました。
今までいろいろなイベントに携わりましたが、涙したのは今回が初めてのことでした。
それだけ自分に対して正直に向き合って、仕事を真剣に取り組んだからなのだと私は思っています。

どんな会場になったのか。
それは是非会場で体験・体感してください。
いつもの会場をご存じの方なら、絶対に驚かれると思います。

これで私の仕事が終わりを迎えるわけではありません。
期間中、毎日のメンテナンス作業が待っています。
というのも、毎日たくさんのお客様が訪れる会場なので、日々どこかに不具合がでてきます。
床にはった布ガムがはがれてきた…とか、壁の壁紙がはがれてきた…とか。
それを閉店後や開店後の時間に修繕作業を行うのです。

クーラーが効かない時間帯の作業は、想像を絶しますよ(^^ゞ

今年の夏は、「チームラボに始まり、チームラボに終わる。」になりそうです。

今月の玄関花(後半)

今月後半の玄関花をまとめてご紹介いたします。

2

*流派 勅使河原和風会 

*担当者 長野洋子

*花題 涼夏の雫(しずく)

*花材 ミツマタ、ヤツデ、ユリ、ヤブラン、ピンクッション

*花器 ガラス器

今月15日から21日の担当は勅使河原和風会でした。
タイトルは涼夏の雫。
私が朝の生けこみ時間帯に伺うと、台の上にガラス玉を配置しているところでした。
サイズや色の濃淡が異なるガラス玉を、バランスよく配置してきます。
納屋玄関から入られたお客様には作品の後ろ部分も見えるため、後方にもガラス玉。
そうやって時間と手間をかけて作品を作っていく。
それを眺めるのって、本当に楽しいです。
ヤツデに鮮やかな色のユリとピンクッションが、夏の彩を表現していて、とても素敵な作品でした。

Photo

*流派 草意流 

*担当者 山下蒼香

*花題 高原の涼しさ

*花材 フイリツバキ、オリエンタルユリ、ピジンショウ

*花器 投入れ壷

22日から28日の担当は草意流でした。
この週は、先生からの電話で始まりました。
原稿には信楽焼と書いたけれど、投入れ壷に変更して欲しいという内容でした。
生けこみ日の朝、先生にお会いすると
「とてもいいツバキが手に入ったから、花器を変えたの」とのこと。
毎回先生方は、とても多くの量の花材を持参されています。
それを玄関花の台や花器のサイズに合わせて、また作品のイメージに合わせて量の調節をされます。
どんなに立派な枝や葉が美しい枝ものでも、空間を演出するために、どんどん切り落とすこともあります。
そうやって、必要な美しさのためには切り捨てることもする・・・。
それを瞬時に判断する先生方は、本当に素敵だと思います。
今回は、想像以上に立派なツバキが手に入ったので、それを存分に使いたかったと話してくださいました。
いやーー、本当にこれってツバキ?って思ってしまうほどでした。
ツバキって花がついてなくても、この緑のままでも存在感があるんですね。

来月にかけての担当流派は下記の通りです。

・7月29日から8月4日は、蒼仙流。
・8月5日から11日は、文人流。
・8月12日から18日は、専正池坊。
・8月19日から25日は、池坊。
・8月26日から9月1日は、専心池坊。

どうぞお楽しみに。

今月の玄関花(前半)

今月前半の玄関花をまとめてご紹介いたします。

20150701

*流派 勅使河原会 

*担当者 眞上由美

*花題 光彩

*花材 松、アレカヤシ、アンスリウム

*花器 ステンレス

今月1日から7日までの担当は勅使河原会でした。
ここ最近は、花器を複数、個使ったリズミカルな作品が多いと感じていましたが、
今回もステンレス花器を効果的に使った今作品が、私の気持ちをも明るくしてくれました。
アンスリウムを見ると、夏だ!って感じますよねぇ。
また、この花器の質感がクールさも演出。
ハッキリとした色使いが印象的な作品でした。

20150708

*流派 草月流 

*担当者 伊東 春雪

*花題 天の川

*花材 ホウキグサ、垂れ桑、ニューサイラン、ガマの葉、縞フトイ、アンスリウム、青竹、オクラレルカ

*花器 ガラス花器

8日から14日までの担当は草月流でした。
タイトルは天の川。
いけばなってアートなんだ、と思わせてくれる作品でした。
朝の生けこみ時間帯に伺うと、ちょうど最後のバランス確認をされているところでした。
この玄関花台は左右の壁がガラスになっているので、見る角度によって印象が異なります。
そのため、いける方々は様々な方向からのチェックが必要となります。
今回も、それを意識してなのか、入念に確認されている様子が印象的でした。

2015年7月17日 (金)

チームベニー更新やっとできました

チームベニー、いよいよ最終段階にやってきました。
更新をしようと思っていたのですが、超がつくくらいに忙しく、やっと本日更新できました。
さてさて、今回は今までにない大きなイベントということで、「なんとかなる派」の私ですら
眠れぬ夜を過ごしています。

精神的に参っているのか(?)、変な夢ばかり見て、毎朝夢と分かって笑いに変わるのですが・・。

昨夜などは、チームラボのイベント前に象を文化ホールに展示したいという計画があると突然言われ、
どこからどうやって象を運ぶか、また見えやすくそして逃げないようにどこにパネルを立てるか考えて
図面作って、また考えて、またまた考えて・・・・って内容。(トホホ)

精神的に追われるほどの仕事(?)ですが、様々な職種の方々と仕事をする機会をもらいました。
いろんな方面のプロフェッショナルの方々と仕事をすることで、いろんなことを学ばせてもらって、
並走はできなくとも、せめてついていけるよう全速力で駆けているところです。

Zmen1

いろんな角度から検証するための図面も何種類も作りました。
それをもとに、ものすごい金額の発注業務も無事に終わりました。

Zmen2


あとは、設営当日を待つだけ・・・・とはいかず、たんまりと内職が待っているのです。

それが、布を裁断する作業。
今回のイベントでは会場を真っ暗にする必要があり、天井から吊るす布を大量に購入しました。
それを天井までの高さにカットして、必要枚数準備する作業が残っているのです。

そんなしながらも通常の業務もあり、目の回る忙しさを文字通りこなしている最中です。

・・・ってブログを終了させようとしていたのに、ここにきて会場レイアウト変更が発生!
設営日まであと数日だというのに(トホホ)
今朝、やっとチームラボ様側からOKの返事がきました。
これから最終図面完成させて、今日中に全関係者に完成図面を送信します。
ここまでくるの、長かったーーーー。
でも、それもこれも、訪れるお客様に最高の体験と時間を提供したいという思いからのこと。


さて、残りの時間もフル回転でがんばりますよーーーーー!

2015年7月 5日 (日)

先月の玄関花(後半)

先月後半の玄関花をまとめてご紹介いたします。

20150617

*流派 巌松古流 

*担当者 山下 ミヨ子

*花題 梅雨季の里山

*花材 夏ハゼ、紫陽花、杜若

*花器 井戸釣瓶

先月後半の玄関花をご紹介いたします。
先月17日から23日の担当は巌松古流でした。
この形の花器を「井戸釣瓶」と言うのですね。
私が玄関花に着いたとき、ちょうど夏ハゼの最終確認をされていました。
近くから、遠くから、何度も何度も確認をして、不要な部分をどんどん切っていきます。
この、最終確認の作業って好きなんですよね。
パチン!と気持ちの良い鋏の音が響く感じが。
私なら、あの部分がいらないかなぁ・・・なんて思ってて、それが切られたときの嬉しさ。
水曜日の朝の、ちょっとした楽しみになっています。

20150624

*流派 龍生派 

*担当者 小林 映順

*花題 時を経て

*花材 枯木、ユッカ、ハンキングヘリコニア、キングプロティア、オンシジウム

*花器 鉄製花器

その翌週の24日から30日の担当は龍生派でした。
キングプロティアにユッカといった花材が、南国の夏を思わせる作品でした。
龍生派は、毎回趣向を凝らした作品を作ってくださるのですが、今回もインパクト大!
暑いときにこそスパイシーな辛いカレーを食べて夏を味わう・・そんな感じ?

6月の記録的な雨量がニュースになりましたねぇ。
私も吉野の山の上に住んでいるので、がけ崩れによる交通渋滞などこまめに確認していました。

ちょうど先月中旬は、チームラボの設営様子の視察のため、福岡に行ってきました。
熊本を中心に雨がものすごく、外の景色を見ていると福岡に着くか不安になるほど。
ところが福岡に着くと、そこまで雨が強くなくスムーズな移動ができひと安心。
そして視察後の帰路、新幹線が川内駅を通過したときでした。
「雨量計を超える雨量のため停車します」というアナウンスが・・。
在来線が停まっても新幹線は滅多に停まらない、そう聞いていただけに驚きました。

雨、続きますよね。
こんなとき、アーケードを有難く感じます。
いよいよクリアランスセールもスタートしました。
イイモノは早い者勝ちですよーーーーーーー!

先月の玄関花(前半)

先月前半の玄関花をまとめてご紹介いたします。

20150603

*流派 小原流

*担当者 坂元 由紀美

*花題 初夏の風

*花材 燕子花、芍薬、紫陽花、楓、ナデシコ

*花器 袖師焼長方水盤

先月3日から9日までの担当は小原流でした。
爽やかで、なおかつ女性らしい色使いが特徴的な作品でした。
水盤を用いて奥行など空間演出をする技は、さすが小原流。
足を止めて長い時間、作品をご覧になるお客様の数も、いつもに増して多かったようです。
紫陽花や芍薬など、変化に注意する花材が使ってあり、毎朝の水替えも大変だったと思います。

20150610

*流派 心潮派

*担当者 山元 正子

*花題 自然からの贈り物

*花材 つつじ、白百合、小菊

*花器 創作花器

その翌週、10日から16日の担当は心潮派でした。
花題の「自然からの贈り物」という名前がピッタリ!
伸びやかな枝ぶりが素敵なツツジに、効果的な色を演出する小菊。
静かな時間の流れすらも感じる、そんな作品だと感じました。

6月は、雨・雨・雨・雨・・・・。
身体にカビが生えるんじゃないかなんて思ってしまうほど雨の多い毎日でした。
自宅の庭に目をやると、ここぞとばかりに雑草が勢ぞろいしています。
晴れた日に・・って思うのですが、なかなか晴れない。
田植えも行われたようですが、水量の管理が大変だろうと思います。
いつまで続くのでしょう、この雨・・。